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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

2019小江戸大江戸200K完走記~第2章~

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手元の時計では22時03分を過ぎたところだった。大江戸のランナーが居なくなった蓮馨寺はいつもと同じ空気感だった。今年は北原先生が外のテントでマッサージをしている。寒さはなかったのと、待っている人が居なかったので先にマッサージをお願いする。
右脚の膝から下が疲れていること。内転筋に違和感があることをお伝えしてまずはうつ伏せに。やはりハム筋やふくらはぎが張っているようで大声を出してしまう。特にふくらはぎの張りは自分のイメージよりも強かった。仰向けになってからは太ももの前側や腸脛靭帯にかけての張りがあり、股関節周りをしっかりとケアしていただいた。
みどりヶ丘で自分で行ったトリガーポイントでの筋膜リリースも的外れではなかったことを確認。大江戸区間で厳しくなった時にも『ここを解せばいいんだ』とインプットしてマッサージを終えた。途中、大江戸出発のマッキーさんが来て僕の次にマッサージを受けていた。
次に食事だ。流れとして食事などを済ませてから着替えを進める。これは暖かくしてから外で食べていると冷えてしまうので着替える前に食べて、出発時はスムーズにスタートするためだ。棒ラーメンとカップヌードルをいただいてから着替えに入る。
この寒さならばと言うことを考えながら食事していたので、自分の荷物バッグを取り出して2階へ移動。アンダーシャツをゼロフィットサーモウィーブロングスリーブに変更し、ボトムは同じスタイルのままにrericウォームロングパンツを重ねた。ペースが落ちてきた時用に、モンベルストームクルーザーもジャケットだけしまい込む。スタート時のジャケットにはノースフェイスのスワローテイルを着用した。そしてbuffバンダナを首にも装着し万全の体制に。そのスタイルは静江さんに写真を撮ってもらった。怪しい(^^;)


蓮馨寺 スタート22時48分
出発時間は22時45分と決めた。昨年は22時55分出発。小江戸と同じ様に大江戸でポイントとなる場所と通過時間は以下の通りだ。(通過時刻で表記)

英IC 1時前後
熊野町 4時前後
成願寺 6時までに出発
代々木公園 7時前後
こあしすエイド 9時までに出発
おしなりエイド 11時までに出発
赤羽駅 14時前後
高島平エイド 15時10分前後
秋ヶ瀬エイド 17時前後
ゴール 20時

外に出てエイドで少しおしゃべりと補給をして22時48分で出発。休憩時間は45分41秒となった。少し冷えたカラダを動かすために、今回も走り始めを少し速いペースでスタートすることにした。川越駅抜けるまでは信号もあり、歩くところも増えてくる。少しカラダが温まってきたところで川越街道へと出るだろう。
川越街道に出ても他にランナーの姿はない。走り出すと小江戸終了間際に感じていた違和感はなくなり、しっかりと走れる。細い歩道と斜めになる部分は走りにくいので、やや車道側に寄りながら後ろからの車を気にして走るようにした。

いつもこの川越街道は熊野町まで長く感じてしまう。それは走れていないからだ。前回の試走会に合流する際に、川越から約12kmくらいと言っていたのを思い出して計算してみる。いつも午前1時の通過。と言うことは、スタートから約2時間15分から20分程度の時間が掛かっているということだ。コンスタントであれば8分~9分ペースならば1時間36分~48分で到着できるはず。この30分近い差を解消できれば後半にかなり余裕が生まれる。少し意識してみよう。

英ICまでは眠くなる時間帯ではない。昨年から100km付近の私設エイドがなくなっているのはわかっていたので、その先の右側にあるセブンイレブンに立ち寄りドリンクの補給をしよう。食べ物は秘密兵器の『でん六』があるのでそれでカバーする。

セブン三芳藤久保西店 101.1km 16時間16分08秒 トイレ休憩3分17秒

反対側へ戻るが、ここでもランナーの姿はない。
まもなく英ICへと差し掛かるところで後ろからランナーが近寄って来る気配を感じたので、後ろを確認してみると女性ランナーが良いペースで走ってきた。ちょうど英ICの階段手前で抜かれる形で歩道橋を進んでいた女性は振り返り、
『鈴木健司さんですか?』
『はい、そうですけど。』
『私、知り合いの方に鈴木健司さんに着いていけば必ず完走できるからと言われて。』
『そうなんですか(笑)』
初めてお会いしたこちらはSさん。(後半で名前を知る)歩きながら会話を交わし、川越街道を反対側に渡る。
『この先ご飯も食べますし、基本僕より前にいれば大丈夫ですよ。』とお伝えして走り出す。

前を走るSさんが新座の坂道に掛かり歩道橋を通り越してしまったので、『登りますよ~!』と声を掛ける。歩道橋の階段では仮眠と取る女性ランナーがいたが、座ったままお休み中だったのでそのまま通り過ぎる。
武蔵野線を越えて新座から朝霞へと向かっていく。途中私設エイドもありランナーを温かく迎えてくれた。
さてこの先どこでご飯を食べようか?でん六だけではお腹に貯まらないので、朝霞のなか卯で休憩を取ることにした。

なか卯朝霞店 109km 17時間36分00秒 休憩時間11分40秒

昨年はブリ丼にして食べたい物で攻めたが、今回は素早く済ませられるように、牛丼ミニと粘りの為にととろをトッピング!流し込むように食べて、トイレを済ませて11分40秒の休憩となった。

朝霞駐屯地までの登りをゆっくりと進み、カラダを温めながらリズムを作っていく。平坦になってからは右の端を走る。この付近は工事中と聞いていたが、週末ということだからなのか特に実施はしていかなった。
朝霞駐屯地入口でラップを取るとなか卯からは約30分たらず。この先に私設エイドの窪田さんがいるはずだ。4分で窪田さんエイドに到着した。

和光市駅(南)交差点 111.2km 18時間09秒32秒 休憩時間6分50秒(筋膜リリース)

『今年は全体的に人数が少ないですよ』『ですよね。周りに全然人がいなくて。僕はいつも通りなんですけどね。』コーラをいただきながら、車止めでの筋膜リリースを済ませてからスタートする。

東京外環を渡り、理化学研究所を抜けて、和光陸橋を過ぎるといよいよ東京都に入る。急な下り坂を降りて地下鉄成増駅に到着する。この近くのなか卯で試走会のメンバーと合流した場所なので、昨年の記憶だけでなく鮮明にコースイメージが膨らむ。
ポイントは環八・環七と来て熊野町となる。

営団成増駅 114.3km 18時間39分18秒

ここで熊野町到着予定を午前4時と設定して進んでいく。大宮バイパスの分岐点を抜けてまもなくドン・キホーテが目印の環八となるが、トイレ小に行きたくなってきた。ドン・キホーテの1階を覗くがトイレはなく先を目指す。その内にトイレを催すこともなく走りに集中できていた。

環八練馬北町陸橋 117.8km 19時間13分39秒

ペースとしては歩きを含めてキロ9分はキープしている感じ。歩きっぱなしがないのでこのまま眠気が来なければ行けそうな気がしてきたが、不意に眠気は襲ってきた。

環七板橋中央陸橋 120.1km 19時間36分27秒

環八と環七はやたらと長い気がするが走ってみると2.3kmしかない。しかし、23分と時間が掛かったのは眠くなるなってきたからだ。
ここでの作戦は【心拍数を上げること】歩道は広いので目をつぶりながらでもしっかりと走ることに集中した。数秒ではあるが、落ちている感じはするが休むのではなく進むことに徹した。すると10分程度でスッと睡魔はなくなった。

熊野町交差点 122.1km 20時08分42秒 ブログ更新

たったの2kmで30分掛かっているのは睡魔が現れたことの証拠だ。時刻は午前4時08分の到着。ブログを更新して昨年よりは遅れていないことを確認。そして6km先の成願寺には5時30分くらいには到着できると想定した。ブログを更新して、でん六を食べながら歩いて進む。

ここからの山手通りはアップダウンも続くが要町~椎名町、椎名町~新目白通りを抜けるまでは走れるポイントが多い。まずは要町まで行こう。途中のファミリーマートも、まだイートインが使えない時間帯なのでランナーは見えなかった。順調に要町交差点に到着。オレンジ色のジャケットを着たランナーが信号待ちをしている。川越街道の途中で先程抜いた方だと思い、道路側を少し離れて追い抜いた。

すると『健司さん!』と声が掛かる。そのランナーはなんと哲さんだった!
『どうしたんですか?』
『色々と痛くて。ここで来たか~健司さん!』
僕の登場は哲さんにとっては死神的存在に感じたようで(笑)それでも
『ここは平坦だから走りましょう!』と声を掛けるとしっかり走れるので問題ないだろう。

状況としては哲さんは小江戸終了時点では貯金を持って大江戸に乗り込んだようだが、川越街道で苦労したようだ。哲さんの小江戸到着は13時間03分03秒。一方僕は13時間56分28秒と53分の差があり、出発時間としても恐らく僕の方が長い休憩を取っていると思われるので、1時間以上の差が開いていたはずだ。
哲さんは昨年小江戸コースで転倒をしてしまい、僕が小江戸到着時点の22時に出会った時には帰り支度をしていた。
『哲さん、なんで止めるんですか!?まだこれから1時間くらい休憩しますよ僕。まだまだ行けるって!』
哲さんはスイッチが切れたように『いやもう帰るから。』と笑顔はなく川越を後にしていた。
その後サロマ湖などでもご一緒したり、小江戸大江戸の試走でも一緒になり『今年こそは!諦めない!』と語っていたし、走力も十分にあるので問題ないと思っていた。
椎名町駅の橋を歩くことにして進んでいくと、英ICで僕を追い越して行ったSさんにも出会ったと言う。哲さん曰わく『彼に会ったら終わりだ』と話していたらしい。対照的な展開が面白い。

その後目白通りを越えて行くとコースは徐々に下り勾配になってくる。新目白通りを抜けて『この先に落合駅~東中野駅に向かって登りが始まるので、下りの間は走りましょう!』良いリズムで走っていくが、徐々に哲さんの口から発する言葉に弱気な部分が出てきた。『ライトの充電がなくなっちゃって。スマホのバッテリーもヤバい。このまま新宿で終わりかな。あと70kmくらいあるんでしょ。あと10時間以上掛かるだよね、キツいなあ。』と。隣でこの言葉を聞きながら、止めようとしている哲さんを如何に走らせるかを考えていた。このままのリズムで行けば決して間に合わないことはない。だって僕のいつもよりも走れているのだから。

JR東中野駅 126.6km 20時間54分56秒

登りに入って歩くにしても特に立ち止まることはなく、会話をしながら進んでいく。東中野駅の手前から走り出し再び下りになってそのまま走っていく。哲さんは幻覚が見えてきているようで、試走とは違い通しのナイトランに若干不安もありそうだ。
次は中野坂上までの登り。途中まで走ってから歩きに変える。中野坂上を過ぎて坂を下れば成願寺だ。

中野坂上 126.6km 21時間06分12秒

熊野町交差点からは5kmちょっとなのだが1時間掛かっている。アップダウンの繰り返しであってもキロ10分台では刻めているので問題はない。遠くに誘導灯を振っている人影が見える。『成願寺エイドで~す!お疲れさまでした!』の声。まもなく到着というところで成願寺から出てきたランナー3人は、身支度を整えて新宿駅から電車に乗ってしまうと言うのが伺える。『おつかれさまで~す、がんばってください。』朝の気温がまだ低いので皆さんレインジャケットを羽織ってテンションも低い。

成願寺 128km 21時間04分02秒(計測チップでの時間なので誤差あり)
休憩時間25分18秒


ここには鹿カレーとたこ焼きがあると伺っていたので、暖かい室内に入って腹拵えをしっかりと行う。
『カレーください!何杯食べていいんですか?(笑)』
『一杯たべてくださいね!』
『いただきます!』遠慮を知らずカレーは3杯平らげた。そして哲さんと共にたこ焼きをつつき、これからの経過を確認する。
すると哲さんは
『もうツラい!止めようかな。』
『いやいや、さっき出て行った人達寒そうでしたよね、ここから新宿駅まで歩くならば東京駅とかまで走った方が近いじゃないですか』
『え~でも膝も痛いしなあ、この後何時間もこの痛みと付き合うなんて無理だよ!』
『大丈夫ですって!この時間での到着は過去最速ですよ!まだ30分以上も貯金がありますよ。止める理由なんてないですよ!来年もそのゼッケンでいいんですか?去年と同じじゃないですか、諦めたら。』
『そうだよなぁ。』
『ここは約130kmです。もうすぐ都庁で130km。こあしすは144km位なんですよ。今5時半ですよね。こあしすは8時45分までに到着したいので、16kmを3時間ですよ。キロ9分でいいんですよ。今ここまで走ったり歩いたりでしたよね。これでいいんで、行きましょう!』
僕の言葉が哲さんを突き動かすことはなかったが、ここまで言われちゃ仕方がないと言う雰囲気で、重たい腰を上げた。『ごちそうさまでした~!行ってきます!』
成願寺での休憩は25分18秒。

『トイレは大丈夫ですか?じゃ、こっからは少し速く走りますよ。すぐに暖まるので。都庁の手前の坂は歩きますから。』清水橋交差点を左折して西新宿五丁目駅を通って都庁を目指す。いつもよりも寒さは感じない。登り坂になり歩きながら進む。徐々に空が明るさを取り戻して来る。そして人の動きも若干ではあるが始まっている。ここで先行していると思っていたSさんが登場。都庁に向けて右折すると1つ目のチェックポイントだ。

都庁前チェックポイント129.8km 21時間50分00秒

コースは再び山手通りに戻る必要がある。ここで僕はトイレ休憩に中央公園に向かう。哲さんとSさんには『トイレ行ってくるので先に行ってくださいね。後で追い付きますから!』と先行して向かった。

新宿中央公園トイレ 21時間56分56秒 トイレ休憩2分14秒

トイレ小を済ませてから追い掛ける。イメージとしては甲州街道を渡り下りに入って哲さんに追い付く予定でいたが、山手通りに戻ると哲さんが前方を歩いていた。話を聞くとコンビニで温かいお茶を買っていたと言う。これは僕にとっては誤算だった。哲さんは相当な消耗と気持ち的に落ちてしまっている。現時点では貯金があってもこのままのペースでは間に合わなくなってしまう。甲州街道の信号待ちでそう感じた僕は下り坂を利用して哲さんの前に出て走るようにした。並走しているとペースを併せてしまうので、こちらがペースを作らなくてはいけないと。
富ヶ谷交差点までは比較的下りが続く。代々木八幡を過ぎてからの登りは歩いて進む。そして富ヶ谷交差点委は22時間23分30秒で到着。左折して代々木公園へと向かう。

富ヶ谷交差点 132.6km 22時間23分30秒

ここへ来て哲さんの眠気がMAXな様子。言葉数も少なくなり、信号待ちでもフラフラ。代々木公園横の坂道では走ることはできずにゆっくり歩いて進むだけに。坂を登り、早朝の代々木公園のクロカンコースを走るランナーが見える。軽快なペースで走っている。

朝日が右手前方から差してきた。時刻は午前6時35分。単純にいつもの通過よりも25分は早い。原宿駅前に出てコースは表参道へ。僕自身もここで2回目の睡魔がやって来た。哲さんを後方から追い掛けながらも歩いてしまう状況が続く。信号で追い付き歩いてしまっている哲さんに声を掛けた。
『走れるところは走っていきましょう。そうじゃないと貯金がなくなってしまうのと、2人揃って共倒れでは困りますからね!』と厳しめな発言。これに哲さんは少し目が覚めたような形に変化していく。明治通りを過ぎての平坦は走り、表参道ヒルズ横は歩いていく。

表参道交差点(青山通り) 135km 22時間50分23秒

1月に行った試走会ではここまでご一緒していた。この先は1年振りとなるが良く分かっているコースだ。青山通りを反対側へ渡り、次の外苑西通りを右折し青山墓地の下を抜けていく。陽射しはしっかりと顔を出しているが、ビルの陰に入ると空気はまだ冷たく、日向では太陽の恩恵を感じるようになってきた。さて今日はどんな天気になるだろうか。
外苑西通りを曲がってからやや下りになり、走るリズムが出てきた。歩く時間が減ってきたと言った方が正しい。第二チェックポイントのハイアットまではもうすぐ。『首都高にぶつかったら登りなので歩きますよ。あと毎年この辺りで中臺さんが応援してくれているんですよね。今年もいるかな?』と哲さんに伝える。

グランドハイアットCP 137.5km 23時間14分26秒

そう言っている間にハイアット前に到着すると、居ました!中臺さん!哲さんは久し振りのランナー以外の人との再会にテンションが上がる!差し入れのいちごをいただき写真を撮ってしばし休憩。『健司さんが怖い!おしなりまでかな?』など愚痴をこぼす哲さんに中臺さんは『元気そうですから大丈夫でしょう!』ここでの休憩は6分32秒。アウターのジャケットを脱いでバッグにしまい気温上昇に備える。『ごちそうさまでした!』次の目標は東京タワー!ハイアットの坂道を下っていく。
東京タワーは約140km地点。こあしすは約145km。現在7時30分。こあしす到着目安は8時45分だ。哲さんがおしなりで止めたいモードは変わらない。僕が言っても変わらないので、『ここはやはり哲さんの兄貴でもある大木さんに発破をかけてもらわないとダメだな。どこかで大木さんにメッセンジャーで連絡しよう!』と決めていた。Sさんも合流して3人で並走する。Sさんはトイレトラブルが多くあり、良いペースではあるがいつも後ろから現れる。『大丈夫ですか?』の問いに問題ないと答える。

そして赤羽橋に到着し、目の前に東京タワーが現れた!チェックポイント手前で哲さんはトイレに立ち寄るということで『ノッポンで待ってます!』と先行する。

すると東京タワーに待っていたのがなんと大木さんだった!手を挙げて応えると同時に『大木さん、気持ち的に哲さんが辞めようとしているので発破かけてください!お願いします!』そして大木さんと一緒にいた女性は僕の応援に駆けつけてくれたお客様。この時は大木さんと繋がっていたんだと思っていたがそうではなかったと後から伺った。朝早くからありがとうございました。

東京タワー 139.8km 23時間49分32秒 写真を撮って会話を交わし休憩時間6分12秒

そして哲さん到着!大木さんは間髪入れず
『哲~!ここまで来たらもう完走間違いないよ!元気元気!!イケルイケル!』
大木さんナイスです!
お見事!哲さんもスマホのバッテリーとライトの充電をお願いすると大木さんは
『じゃあ高島平で待ってるから!』
さすが!おしなりではなく敢えての高島平を選択する大木さんは素晴らしかった!これで哲さんの辞める理由はなくなった。と言うか、
『止められなくなった!行くしかねぇ~~!』
と東京タワーを離れてから叫んでいた。よし、これで大丈夫かな。

東京タワーを離れてから僕もトイレ休憩を取り、哲さんはジャケットを脱ぐ。その先にはミニオンズスタイルの私設エイドの方が今年も応援してくださっていた。夜中からいるようでありがとうございました!ここでミニオンズケチャップご飯などをいただき小腹を満たす。

哲さんにこの先のペースを伝える。
『現在140km地点。こあしすまであと5kmで約50分で到着すればOKです。信号が多くなるので歩きも入れながら進めば10分は掛からないので、いきますよ。』
と先行して走る。
今年は信号での引っ掛かりがなく順調に日比谷公園手前まで差し掛かると、前方から逆走応援ランの羽田野さんがやって来た。
『並走はダメということで、近くで見守っています!』と反対側の歩道を並走して走っていく(笑)。そしてまた前方から屋敷さんが登場!皇居も近いので、屋敷さんは少し後ろを追走する形となった。
日比谷公園を抜けて、祝田橋交差点もスムーズに渡ることができた。皇居側へ渡り、早朝から走るランナーと共に周回コースへ。羽田野さんが反対側からうまく渡れたかが心配だったが、こあしすを目指して走っていく。

祝田橋 142.1km 24時間17分54秒

皇居の大手門前には多くの警察官が出ている。なんだろう?と思って走る。ランナーの中からは『小江戸大江戸頑張ってください!』と声が掛かる。周回コースは気象庁前で工事中。ランナーは左へ逸れるが、僕たちはそのまま気象庁前の交差点までいき、信号待ちで一休憩。一気にこあしすへと到着した。

こあしすエイド 144.1km 24時間28分34秒
午前8時35分到着 11分20秒休憩


魅惑のチキルームこあしすエイド(笑)例年よりも10分程度早く到着。出発時間を8時45分に設定し各自休憩。豚汁におにぎりを投入していただき食す。温まるなあ。この時点でもいつもよりもランナーの数が少ない。全体的に速いのか、止めてしまったランナーが多いのかはわからなかったが、とにかくいつもよりは貯金があるので問題ないと確認した。
哲さんのトイレがここでは済ませられなかったので、竹橋で行くことに。出発の際にドライフルーツをいただきスタートする。すると蛯原さんが今年も仲間の方の応援で駆け付けていた。応援ありがとうございます!Sさんと共にスタート。

哲さんと学士会館近くのトイレを発見し、Sさんには先に行っていただくことに。
哲さんとトイレに入ってみると『ここ和式1つしかないですよ』とのこと。『え、そんなことあります?』と外に出るとまさかの女子トイレ!!(汗)誰もいなくて良かった・・・。トイレ小を済ませて皇居へ向かう。

応援ランの羽田野さんと屋敷さんがいないことは気にしなかったが、蛯原さんの姿を見つけた背中越しにお二人でしゃべっていたようでどちらも気が付かず、30分以上待って中を覗くと『もう出発しましたよ!』とのことだったらしい。その証拠写真はこちら!(笑)

*この背中側に椅子に座って会話している屋敷さんと羽田野さんがいる、お互い気が付かず・・・。

Sさんは信号待ちで捕まっており皇居ではすぐに一緒になる。
『次のおしなりエイドは156kmここから約12kmです。11時までには出発したいので、約2時間あります。12kmを2時間だから1時間に6km進めば大丈夫です。全然行けるでしょ!』
明確な目標と、このままのペースで間に合う確認をすることで安心感が生まれる。決して間に合わないペースではないのだ。
『日本橋が150kmです。10時までに到着していれば大丈夫です。』

竹橋の登りでは哲さんが順調に回復してきた模様。僕は歩きを入れながら進んでいく。久し振りの皇居。一部工事区間もあるが道幅も広くなり走りやすくなってきている。乾門から再び3人で走る。千鳥ヶ淵公園に向けては相変わらず狭くなっている。半蔵門までの登りで哲さんとはまた距離ができる。公共周辺の警備が激しくなっているので、半蔵門で皇族の出入りがあったら止められてしまうのを心配したが問題なく下りに入ることができた。

哲さんには先に行ってもらいSさんが暑そうだったのでジャケットをしまうのを待つ。僕も一緒にロングパンツをしまい、ハーフタイツで汗を掻き過ぎないように調整する。下りの中でフォームの注意点をお伝えする。英ICでお会いして以降、必ず追い付いてくる走力をお持ちなので、あまり心配はしていなかった。

桜田門を過ぎて祝田橋に戻ってきた。先行する哲さんは信号待ちして待ってくれている。合流して日比谷通りを目指す。ここから先行してペースを作る。飛ばし過ぎてもいけないし、ゆっくりでもいけない。自分のリズムで引っ張っていこう。

東京駅の前を過ぎて大手町交差点から永代通りを経由して日本橋を目指す。信号が多くなり立ち止まる時間が増えてくる。自販機でドリンクを補充し、信号待ちではガードレールで筋膜リリースを行うと、Sさんが『試走会でみんなそうやってましたよ!変な集団に見えますよね。』と。『お、これは自分発信か?』とちょっと頭に浮かんだが言葉には発しなかった。でも確実に楽になるので、これからは頻度が増えていきそうだ。

日本橋 150.1km 25時間37分12秒

哲さんがトイレに立ち寄る。僕は信号待ちのタイミングではあったが、青になってからは待たずに歩いて先を進むようにした。こちらも信号待ちで距離は離れずにまた合流できる。室町三丁目交差点で水分補給でセブンイレブンに立ち寄ることに。
しっかりと食事した成願寺からは既に4時間以上経過。少しずつお腹も減ってきたが、おしなりエイドではおにぎりなども過去にはあったのでそこで補給を考えていた。
浅草橋に向かって走り出す。ここからも信号が多いのと脚の動きが鈍くなってきたので、リズムが少しずつ崩れてきた。浅草橋手前で隅田川を渡る際に反対側へ渡る。両国駅前まで先行するSさんと信号待ちの関係で再び合流して、両国国技館を通過。

両国駅 153km 26時間23分40秒

安田庭園の脇を抜ける道は毎年勘違いしていたことを初めて確確認した。横綱公園から蔵前橋通りに入り太平二丁目を目指す。歩道は狭くなりいつもは人通りも多く走りにくい区間ではあるが、今年は信号のタイミングと言い、人の少なさと言いとても走りやすい区間だった。
しかしその前のロスタイムがあったこともあり(コンビニ利用)、予定の11時出発に対して時間が無くなってきた。タワービュー通りに入り、東京スカイツリーの袂のおしなりエイドを目指す。哲さんとSさんには先行してもらい、追い掛ける形でエイドに到着した。

おしなりエイド 156.1km 26時間48分34秒 10時55分到着


先着した哲さんとSさんと『何時に出発します?』ここで焦ってもいけないので、『11時05分にしましょう!』しかしエイドに固形物がなく、期待していたおにぎりも見当たらなかった。残念。と言うことで、ドリンクの補給をメインとして休憩しスタート。またトイレも埋まっていたのでスカイツリーの下で行こうとスタートした。
信号を渡り、応援の皆さんに別れを告げてスカイツリーへ向かった。トイレを探すも近くにはなく『あったところに行きましょう!』と走り出すとSさんがジャケットを忘れてしまい戻ることに。交差点の先にあったトイレは信号のタイミングが合わず、浅草寺を目指すことにする。
言問橋に差し掛かる登りはゆっくりと進み、橋の下りに合わせて走っていく。信号も続くので休みながらとなる。浅草寺の裏手から入り本堂を目指す。


浅草寺本堂 158.2km 27時間29分02秒 トイレ休憩12分12秒
写真を撮ってからトイレを探すと近くにはなく、一度花やしき側へ道を外れないとダメなようだ。観光客に紛れて逆方向へ向かいトイレを済ませる。いつも使わない時間をこのトイレ休憩で費やしてしまった。どこかでリカバリーしなくてはいけないが、お腹も減ってきている。走れなくなっては元も子もないので、補給を頭に入れながらスタートした。
すると伝通院通りを抜けて左に曲がるところで山田さんと新井さんに声を掛けられた!こんな人混みの中でお会いできるとは!山田さんになぜかQUOカード500円をもらう。『ゴールしたら乾杯のビールでも買って!(笑)』
浅草を後にして、蔵前橋通りを目指して南へ向かう。チェックポイントの鳥越神社はさほど離れてはいない。約160km地点となる鳥越神社に27時間58分39秒で到着となった。

鳥越神社 160.1km 27時間58分39秒 
午前11時58分


私設エイドを出している方もいるが、ここは先を急がなくてはいけない。蔵前橋通りを進み、秋葉原の中央通りとの交差点までは走れる平坦が続くので、進んでいく。
後ろからキティーちゃんがやって来た。前半はあまり調子が良くなさそうだったが、きっちりと合わせてきたようだ。登り坂を先頭で引っ張っていく。そして坂の上にも応援団の皆さんが!ありがとうございます!

『次の本郷三丁目のコンビニで補給しましょう。このままじゃガス欠で走れないので。』と哲さんとSさんに伝える。

本郷三丁目 163km 28時間29分15秒 コンビニ休憩7分43秒

到着するなり、肉まん・おにぎり・ドーナツとミネラルウォーターをゲットして一気に食べる。お腹を満たしここからは走っていかないといけない。目安となるポイントは赤羽駅14時だ。
駒込~王子~赤羽と距離でみるとあと10km近くある。時刻は12時30分を経過したが、ここでの休憩は7分43秒。信号の変わるタイミングでスタートすると、赤門前でエイドをしていた方々が撤収の帰り道にサポートしてくれた。ありがとうございます!
そして赤門前から東大の横を抜けていく。約90分で10kmなので無理な時間ではない。歩きだけではダメなので、ここは注意が必要だ。
本駒込駅を抜けていく頃になると哲さんの様子が明らかにおかしい!また睡魔に襲われているようだが、この昼時にはならないので【インシュリンショック】ではないかと思った。
固形物の摂取が久し振りで、哲さんもコンビニで購入していた。血糖値の急激な上昇で眠気が来ていると考えられた。とりあえず持っていたINPARAジェルを飲んでもらい、走れる状態になってもらわなくては。

駒込駅 166.4km 29時間12分44秒

ここから駒込駅を抜けて旧古河庭園を抜けるまでは常に哲さんに声を掛けながら、歩きっぱなしならないように、走ったり歩いたりを細かく繰り返す。旧古河庭園を抜ければやや下りが多くなるので、なんとかそこまでに回復したい。前を行くSさんにも合流して走るが、この区間でのロスが大きかった。赤羽駅14時には間に合わない時間となってきた。ここでSさんはお腹の調子が良くないとコンビニへ。僕は哲さんを後ろに赤羽まではリカバリーをしなくては!という思いで前に出た。後ろは気にしながらも少しずつ距離が空いていく。

飛鳥山公園の明治通りを渡り、石神井川の橋で信号待ちをしていると哲さんが追い掛けてきた。少し復活したようだ。一緒に王子駅を抜けて北本通りへ。

王子駅前 168.7km 29時間37分08秒

平坦になり駅前の人混みを抜けてからはペースアップ。少しでも遅れを取り戻さないと高島平エイドでの関門に引っ掛かってしまう。北本通りでは信号待ち以外はしっかりと走り、環七との交差点となる宮堀を目指す。信号待ちではお互い息が上がってしまう状況ではあったが、ここで頑張らなくてはと先程の遅れを取り戻そうと頑張った。宮堀の環七を左折して京浜東北線の陸橋までは走る。

環七東十条陸橋 171.6km 30時間00分45秒 時刻14時00分

陸橋を登り切れば赤羽駅までは下りとなる。まずは赤羽駅へ!の意識が強いので、ここでもしっかりと走ることができた。前には川の道でもご一緒した矢崎さんの姿がある。矢崎さんにしてはゆっくりなのは川の道を想定した走りなんだろうと感じた。我々の走力と比べた時には前に行っておきたい気持ちがあった。

赤羽駅西口 172.9km 30時間11分20秒

イトーヨーカ堂の脇を抜けてロータリーの脇からトンネル脇の階段を目指す。すると前方の電話ボックスから大木さん登場!(驚・笑)『絶対行けるよ!』カメラを向ける大木さんに笑顔で応えた。『次は高島平にいるから!』と大木さんも笑顔で見送ってくれた。

階段を登り赤羽台の団地を抜ける。しばらくアップダウンがあるが、急すぎる下りは走れないので、焦らずに進む。哲さんがドリンク補充で自販機を使う間に矢崎さんに先行されるが、北赤羽の下りで追い付いたりとリズムは悪くない。

北赤羽駅を14時30分に通過して埼京線下へと入っていく。するとまたまた応援の石丸さんが再登場!昨日の小川町以来の再会だ。『もう飽きたよ~!』と嘆く哲さんに笑顔でエールを送ってくれた。浮間舟渡に向かって走っているとまたまたSさんが追い付いて来た!素晴らしい走力だ。

浮間橋 174.5km 30時間35分27秒

浮間公園を抜けて国道17号線を渡り、細くなった道を船渡大橋を目指して走っていく。そろそろ家族の応援があるかな?昨年は船渡大橋で隠れていた。今年は長女ピヨちゃんが図書館で勉強中と言うこともあり、近場で応援に行くかも?と言っていた。次女ペコちゃんは計測速報や僕のFBを観ながらニコニコしていたに違いない。
すると船渡大橋に向かって曲がった公園にマスク姿のHANAとペコちゃんを発見!長時間に渡る伴走は禁止の言葉に『このくらいの距離なら良いかな?』などと考えていたに違いない!一緒に高島平エイドまで向かい、到着。

高島平エイド 178.4km 31時間18分31秒 時刻15時12分

ここでは計測はなくエイドのみ。先に到着していた大木さんも合流。
大木さんも哲さんもHANAとの再会はサロマ湖以来かな?約10年振り。懐かしい会話が続く中で、こちらは水分補給と食べ物をいただきながらしばし休憩。
関門時間は15時30分なのでまだ余裕はある。一方で応援の方々からはギリギリだねぇと少し心配の眼差し。大丈夫!ここまで頑張ってきたから!

哲さんと一緒にスタート!入れ替わりでスイーパーのランナーがエイドに入ってきた!
家族は長女ピヨちゃんが試験1週間前だから川越には行かないと言う。『は~い!電車で帰りますよ~。またね。』
エイドをスタートし気になるのは今後の風向きだ。気温は下がっていないので、恐らく南風の追い風となると思われるが、土手なので遮るものがない分強く吹く可能性はある。寒く感じるようならばジャケットを羽織ろう。

荒川土手 180.7km 31時間46分26秒 時刻15時47分

荒川土手に登るといつものように野球少年達が元気に活動している。その目線を気にしながらゆっくりと走ったり歩いたりを繰り返す。
徐々に哲さんの距離が広がってきた。
1月にタカッシーとの試走を行った時は当然元気だったので、笹目橋から幸魂大橋までがあっという間だったが、今回はとても長く感じた。歩く時間が長くなり、哲さんとの距離も縮まらない。ようやく幸魂大橋を抜けて土手を登り、朝霞水門を過ぎると追い風だ。

朝霞水門 183.6km 32時間22分10秒 時刻16時22分

先程よりも哲さんの姿は近付いているが、追い付ける感じはない。土手の上を進み、背中から風を受けてペースを取り戻し始めている。
この先の秋ヶ瀬エイドからゴールの川越までは約15kmとなる。キロ10分で走れれば5km50分×3だから150分で走れれば良い。と言うことは、17時30分の関門時間でスタートすれば20時までのゴールにぴったり間に合う計算だ。ここまでのペースはキロ10分は掛かっていない。良し、このリズムで大丈夫!
Sさん、哲さんを追い掛け秋ヶ瀬橋を通過。

秋ヶ瀬橋 時刻16時54分

そして工事区間に入るので土手下をそのまま進み、取水堰に向けて砂利道を走る。前にはランナーは見えるが後ろから来るランナーは見えない。試走していたので迷うこともなく、再び土手について戻り秋ヶ瀬エイドを目指した。
エイドの手前で応援に駆けつけてくれたしゃおらいさんが待っていた。

『やっと来ましたね!』関門時間時間には15分程度あり見えてきたので一緒に話しながら辿り着いた。
家族も車で先回りしてここで応援!橋を渡ればピヨちゃんが勉強している図書館が近い。

秋ヶ瀬エイド 189.8km 33時間11分02秒

ここには世界の竹田さん、直江さんも登場!エイド運営には浜田さんや杉田さんがいて声を掛けてくれた。煮麺をいただき最後のバイパスに備える。

そのままのスタイルで出発しようとすると、『この先バイパスは風が冷たいよ。ちゃんと防寒対策しないと!』と言われ、背負ったザックを下ろしジャケットと朝皇居で脱いだロングパンツを取り出して着用した。

すると後方からスイーパーの方が最終ランナーと共にやってきた。お、行かなくては!

応援の皆さんに挨拶して17時26分に出発。ここでの休憩は10分30秒となった。

周りの空気はギリギリなのに随分とゆっくりとしてるね。と言った感じ(笑)大丈夫!間に合わせますよ!と声援を受けながら歩き出す。

土手を登り羽根倉橋の信号待ちとなる。ストレッチをしながら待ち、信号が青になってから左折しバイパスへ向かう。哲さんとは信号1回分離れてしまったが、ここまで来たらもう大丈夫だろう。
少し走ると【川越市街地まで13km】表示が出てくる。バイパスにもある表示ではあるが、ゴールまで13kmと思うとエイドからの計算は合わない。でもこれがランナーにとってはとても目印になっている。
昔はこの距離がなかなか少なくならないし、看板すら出てこない。暗闇の中で気が付かないのもあるが、バイパスをやたらと遠く感じさせる物でもあることも事実である。しかし今年は先に記したようにキロ10分ではしっていれば間に合うと言うことがわかっているので、距離に対しての抵抗はなかった。

ららぽーとふじみ野・東京ドーナツなど知っている場所も増えているので、時間の経過でちゃんと進んでいることも確認でき、ストレスはなかった。いつの間にか哲さんに追い付いていたのは、【川越市街地まで7km】付近だった。
信号待ちもあり前後の差は詰まるようにもなる。また後ろからスイーパーがプレッシャーを掛けていることが、追い越していくランナーからわかった。
『あの~さっきスイーパーの方に追い付かれたんですけど、どうしたらいいですか?』
大会案内にスイーパーに捕まったらおしまい的なことが書いてあるのでそう思ったのだろう。
『大丈夫ですよ。その人たち良いペースで走っていたらスッといなくなりましたよね。完走させるのが彼らの役目なんです。』
『良かった~!』とそのランナーは良いペースで走っていった。後方を見やると何人かのみ集団のヘッドライトが見える。来たな。

少し距離は開いたまま進んでいくと、残り4km手前でスイーパーの方が追い付いてきた。信号待ちしていると、反対側歩道にコンビニを目指しているのかランナーが2人いる。その中に哲さんの姿が!『哲さん、そっちじゃないですよ!』と大声で声を掛けた。気が付いたようで信号が変わって戻ってきたが、一緒に走っていた方が勘違いしたようだ。
そこからはスイーパーとの集団で何人かで走る。スイーパーの方は考え方が甘くない。
『あと4kmで50分しかないですよ。歩いている時間はありません!坂道でもしっかり走りますよ!』
僕は『は~い!(4kmで50分もあれば大丈夫ですよ。)』と思いながらゆっくりと坂を登った。
川越線を越えるこの地点で200km。
ここからは小仙波に向かってますます暗い道を進む。周りのランナーの中にはコンビニへ立ち寄る方も。スイーパーはそれも店の前で待ちながら、すべてのランナーをゴールへと導くのが役割だ。

哲さんと信号待ちをしながら小仙波へ。今回の小江戸大江戸を振り返りながら進んでいく。
『200km完走させる人は健司さんしかいないですよ!』
『いやいや哲さんが諦めなかったからですよ!だって去年の哲さんを思い出したら、止めたら後悔しか残らないと思って!止めさせないのは、大変でしたけど(^^;)大木さんにも発破かけてもらったし大丈夫だろうと。』
『色々と勉強になりました!12kmを2時間で走れば良いとか、そうやって考えるんだと。そうすると確かに余裕あるなって思えるんですよね。』
『そう思ったら走れそうって思ってもらうのが作戦ですから(笑)途中このまま行ったら共倒れなんて言ってすいません。』

小仙波の交差点の信号を渡り、僕は間に合うことを確信。ここからは無理せずに歩きも入れながら走る。哲さんは最後だ!と頑張って走っていくので姿が見えなくなってしまった。
しかし、スイーパーの方が僕が歩くのを許さない!(笑)
『あと少しだ!ここで自分に甘えちゃ駄目だ!ここで一番頑張らないでいつ頑張るんだ!』
数人のランナーが最後尾ランナーとして走っていく。
僕は時折歩きも混ぜながら心拍が上がってしまうのを抑える。最後の信号は赤だったので左に曲がり蓮馨寺前の信号待ち。
そしてゴールへ!
『おっ、健ちゃんおかえりー!』と竜ちゃんから声が掛かる。そして家族も川越まで来てくれていた。時刻は19時56分と制限時間の4分前。

蓮馨寺ゴール 204.2km 35時間50分00秒




5回目の完走を果たした。ゴールタイムは例年よりもちょっと速いかな?20時越えないようにスイーパーの方の後押しが僕を走らせた形だ。それでも久し振りの風の強さがあった今大会。昨年の体調不良から比べれば、計画に対してイメージ通りの走りとなった。また川越街道の夜間は今までで一番良い走りができた。意識したことは【眠くなったら心拍数を上げて走ること!】これが正解だった。2度の睡魔も乗り切り、山手通りに入ることができたのは良い流れを作れたと感じる。

そこからは哲さんと2人旅。止めさせないようにしっかりと気持ちを繋いだ後半戦。途中ロスタイムが大きく、赤羽駅までのドタバタはあったが、それをリカバリーできる哲さんの走力があってこそ。土手に出てからはそれぞれのリズムで走り、エイドや信号待ちで合流する形。正に理想的だった。自分のリズムは守って行かなくてはどちらも潰れてしまうこともある。恐らく新宿で哲さんに『先に行ってますね』と伝えたら哲さんは止めていただろう。だけどそれが一緒だったことでゴールまで繋がったことは非常に嬉しい。

今回は反省点はかなり少ない。速くは走れないけど、計画通りに実行する力はしっかりと付いてきたと思う。
次のレースはチャレンジ富士五湖118km。ここに向けてはスピードの強化。ゆっくり長くは小江戸大江戸で確認できた。あとは100kmを12時間20分で走れるスピードを付けていきたい。

2019小江戸大江戸200Kラップ表




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